ユバスキュラ盲学校 |
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| ・施設名 ユバスキュラ盲学校(ユバスキュラ/フィンランド) The School for the Visually Impaired in Jyvaskyla P.O.Box 319 Kukkumaentie 27, FIN-40101 Jyvaskyla, Finland http://www.jynok.fi/ ・訪問日 2003年9月22日 月曜日 ・対応者 校長:Raija Vaisanen IT担当教諭:Helena Palmari 通訳:児島宏嘉ラハティポリテクニク教授 ・施設の概要 国立盲学校 ・研修内容 施設設備・体制の見学・聞取りおよび質疑応答 |
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| ●体制 教諭:80名 職員:20名 生徒:通年38名 随時30名 通年のクラス(38名)もあるが、各学校(小、中、高)の節目に、年2回(春・秋)各1週間の期間でトレーニング(主に情報機器機器について)のために入寮するコース(30名ずつ)もある。また、教師が出張して教える事もある。 ●通年のクラス(38名) ここで受け入れているのは、幼稚園児、そして、義務教育の小学校6年と中学校の3年、そして高校生の3年である。 情報機器の学習は、まず幼稚園の子供は、手を使うということ、つまりマウスを使う事を学ぶ。 |
![]() ユバスキュラ盲学校駐車場から |
| 目標としては、小学校2年遅くとも3年生までには、キーボードからのブラインドタッチを覚えさせてやりたいと思っている。小学校2、3年というのはあくまで目標であり、実際に完全にミス無しで入力できるのは小学校6年生の頃である。小学校2年生の半ばでブラインドタッチができるようになり、中学校1年生となった今、プログラムまで組めるようになった生徒がいる。 ブラインドタッチでの入力にこだわっているのは、ブラインドタッチで入力できるようになると、保険機構からコンピュータが貸与されるからである。通常は、小学校5年生の時に点字で読み書きできる機械を貸与されている。3年生から6年生の間に、順序立ててコンピュータをどのように使うかを学ぶようにしている。 指導の形式は、コンサルタントのような形となる。視覚障害者のサポートとして、彼らとグループワークを用いて、どのように情報機器を使うかを指導している。しかし、盲人に必要である点字を読み書きする能力がおろそかにならないように気を付けている。 弱視の生徒については、学校にコンピュータが入っている事から、自分でコンピュータを持つことはあまりない。小学校の1年生から6年生まで、拡大表示装置を使いこなせるように指導している。もちろん、弱視で書くことが不得意な生徒達には、コンピュータを貸与してもらうようにしている。 中学校になると、セリア(盲人図書館。別紙視察内容参照)で作っている本を使う生徒が多くなる。視覚障害の生徒達は、セリアの本を利用する権利がある。その本を利用するにあたってお金は必要ない。セリアの中にある本は、コンピュータで読むことができるようになっている。(弱視用)教科書の内容と同じものが、フロッピーディスクかCDに入っている。 |
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| ●随時のクラス(30名) 全国より、各学校(小、中)の節目に、年2回(春・秋)各1週間の期間でトレーニング(主にIT機器について)のために入寮する(30名ずつ)。 その間は寮で寝食する。家族(両親、兄弟を含めて)の同伴も可能。その間の収入は国(国民健康保険局)が補償する。トレーニングを終えた生徒への対応は電話で行う。 学習期間の状況をビデオ撮影して、持ち帰ってもらう。記念品ではなく、学校で学んだことを繰り返し家でも続けてもらうためである。遊ぶところも学ぶようにしてもらう。 宿泊施設は、小学校の間は相部屋、中学校になると個室にはいる。 高校生になると自活できるようになってもらう。希望すれば、普通高校へ進学する事もできる。どの部屋も、迷わないように間取りは同じにつくってある。なお、同伴して宿泊する親のための乗馬の施設などもある。 |
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![]() 生活トレーニングルーム |
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| ●設備 まず、正面玄関入り口で場所を示すブザー音が鳴っていたことに感心した。内装は、弱視の方に配慮し、コントラストを強調しつつもデザイン性の高いものになっていて、とても明るくきれいである。核シェルターも設置されている。(フィンランドは他国との軍事同盟に参加していないためそのような設備の設置が義務付けられている) 廊下や壁には、触れて理解する絵本や地図、生徒の作品が展示されている。 中庭には、実社会へのトレーニングのため、信号機のある交差点などが模擬設置されている。また、道路には一般道と同じように段差を(あえて)付けてあり、独立して生活できる支援をしている。 |
![]() 陶板の絵本のパネル |
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![]() 視覚障害者用の地球儀 |
立体教材や点字教材など、その多くが校内で手作りされている。たとえば、各教室や先生の部屋の入り口には、触れて理解できるシンボル(絵表札)が設置されている。それを制作する専門職員がいて、ダンボールや布などの素材をたくみに組み合わせ、立体的な絵をつくり、(その元絵は健常者が見てもすばらしいできばえ)それをスチロールの薄版に熱と圧力を加えて転写する。![]() 入り口のプレート原画 |
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![]() 立体表札作成機 |
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| ●視覚障害者支援IT器具 パソコン用(パソコンのOSは、Windows98主体。最新のOSの採用は、視覚障害者支援の種々のソフトウエアの安定度と充実度、指導する側される側の習熟度から判断して行っていない。) スクリーンリーダーソフト(2種)JAWS,SUPERNOVA 電子ブックソフト(3種)LAATU(Win98) (LINKKI,LUETUS(WinXP)) 点字表示機(4メーカー)全盲の生徒用 拡大表示機 弱視の生徒用 Memona plus:コンパクト6点入力兼読み上げ機(開発:NKL) パソコンや携帯電話との接続も可能 |
メモナプラス6点入力機 ![]() |
Optacon:文字読み取り即時表現機(アルファベット) ペン型スキャナで新聞の文字などをなぞり指先でアルファベットを感じ取る ![]() |
![]() 点字表示機:点字表示機と音声リーダを併用使用できるようにしている |
| ●総括 「ここへは、視覚障害者は誰でも全員来ることができるようになっている。」と、校長が説明されたように、ユバスキュラ盲学校は、視覚障害者教育の中心となっている。明るくゆったりとした教育環境だけでも相当な驚きであったが、教員や教育教材の豊富さ、特にIT機器の積極的利用による少人数教育は、予想以上である。また、個人の感性や能力を充分に尊重している。フィンランド人の最大の特徴である『自立精神』を養うためのものであろう。 また、「障害者は働くことが難しい、これまでの(工芸とかの)職業では満足できなくなってきている。 |
![]() 情報担当のヘレナさん |
| IT産業がこれからの鍵であり、IT技術を習得すると職業選択の間口が広くなる。今後、新しい教育をどうやるかを探している。」とIT担当教諭が話されたように、NKL(フィンランド盲人連盟。別紙視察内容参照)やアルラ研究所(職業訓練学校。別紙視察内容参照)と、密接に連携をとり、今後のIT利用の方向性等の追求に積極的に取り組んでいらっしゃることがよくわかった。 | |
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