フィンランドのIT事情

 以下は、今回のフィンランド視察で出会ったIT事情である。
1. 街中のIT
1) 公共交通機関(電車、トラム、フェリー):フィンランドで公共交通を利用するにはチケットを購入する方法もあるが、ほとんどにICカードの非接触式リーダーが設置されている。カードを近づけるだけでチェックしてくれる。
電車にあったICカードリーダの写真
電車のICカードリーダ
トラムにあったICカードリーダの写真
トラムにあったICカードリーダ

2)ショッピングをしていてインターネット端末を見かけることはほとんどなかった。

3)ヘルシンキでは石畳の道路が多かった。街角では何カ所か石畳をはがして工事をしていたが、その下には多くのパイプが敷設してあった。そのいくつかは情報用と思われる。日本のコンクリートやアスファルトの道路よりも整備しやすいのではないだろうか。



船の自動キップ販売機の写真
船の自動キップ販売機
4)携帯電話:メールの端末としては多く利用されている。大人だけでなく子供たちにも普及。スパムメールはほとんど無い。ヨーロッパの多くの地域に移動しても利用可能。カメラ付き携帯や着メロ付きのものは見かけなかった。液晶画面も小さく折りたためないタイプの携帯が圧倒的に主流。


道路に埋め込まれている回線の写真
道路に埋め込まれている回線
2.インターネットの利用
1)バークシュのホテル「タルッカ」:アナログの公衆回線のみであった。56Kのモデムがパソコンの後ろに転がっていた。各部屋での利用はできない。
2)ヘルシンキのホテル
「Holeday inn Helsinki City Centre」:ADSL、各部屋にイーサネットポートあり。 TVインターネット設備有り、24時間使い放題で19ユーロ。アナログ回線利用の場合5.5ユーロ/時間。 フロントでは802.11b

3)児島先生宅:ADSL。50ユーロ/月。
ホテルのテレビ型インターネット端末の写真
ホテルのテレビ型インターネット端末

4)ユバスキュラ国立盲学校:各部屋有線LAN。いろいろな環境で積極的に利用。無線LANの利用は無し。

5)NKL:12のサーバー、4つのイントラネット。ユーザー300名。

6)Arla研究所:各部屋有線LAN。無線LANはあまり利用されていない。

弱視の方のパソコン(拡大表示)の写真
弱視の方のパソコン(拡大表示)

※日本と比較して、インターネットの利用料金は高額であると感じた。フィンランドにおいては、ADSLはあるが、光ファイバーに関してはまだまだの様である。また、無線に関して何度か質問をしてみたが、こちらも一般的では無いようである。

3.フィンランドのパソコン
1)バークシュのホテル「タルッカ」:売店に設置してあるインターネットパソコンのOSはWindows 95。CPUはペンティアム100程度。
オプタコンの写真
オプタコンの写真
2)ヘルシンキのホテル「Holeday inn Helsinki City Centre」:各部屋のインターネット端末はテレビ(TV internet、キーボード付き)

3)児島先生宅:IBM ThinkPad A30

4)ヘルシンキ街中:商店の奥に Windows95 らしき古いマシン有り。
※研究所以外では、あまり新しいパソコンを目にすることは無かった。また、学校においても、新しいパソコンは非常に少なかった。

携帯端末の写真
携帯端末
4.視覚障害者用パソコン、周辺機器
1) ユバスキュラ国立盲学校:Windows98, インターネットを利用するにあたり、いろいろなソフトが利用されている。MIKROPUHE/SAPI, LAATU/DOS, LINKKI WindowsXP, LUETUS/WindowsXP。

2)NKL(フィンランド盲人連盟):情報部のサーバー Linux. Netware, クライアント、Windows98。視覚障害者向けには800通りの設定。見え方、拡大方法、色をそれぞれ個人の症状に適合。人間工学を用いて、医師、補助具の専門技術者にてアドバイス。パソコンのOSは4年ごとに更新。

3)Arla研究所:サーバー、Windows2003, Linux。スクリーンリーダー、点字表示器、拡大器を利用。

ユバスキュラの校長先生とIT担当ヘレナさんの写真
ユバスキュラの校長先生とIT担当ヘレナさん
4)点字表示器の価格:16000ユーロ(約200万円)、スクリーンリーダーの価格:2000ユーロ(約26万円)

5)メモナの価格;1000ユーロ(約13万円)

5.視覚障害者への情報サービス
1)NKL(フィンランド盲人連盟):IT支援をする担当者は全国で15名。そのうち視覚障害者は13名、晴眼者2名勤務。
2)Arla研究所:図書室では、音声、点字、ビデオの利用が可能。耳や目など、不自由な部位によって求めるものが違う事がわかった。今後はすべての問題が解決できるようにDigEstという環境をPC上で構築すべく研究を始めた。

点字表示機能付きノートパソコンの写真
点字表示機能付きノートパソコン
3)HUN(ヘルシンキ、ウーデンマ地区視覚障害者協会):テレビの映像利用。電話相談。電子メールの利用者は1割程度。PCやインターネットの利用に関しては年配者は苦手である。スタッフは15名。メンバーは1500名。サマーデイで新しい技術などをメンバーに紹介している。

4)セリア(盲人図書館):読みたい分野を指定すると、音訳(あるいは点字)テープが送られてくる。最近はデイジーシステム(CD)での配布も開始。インターネットではタイトル情報のみ配信。

配送前の録音図書の写真
配送前の録音図書
6.ICカードの利用
1)FinEID card:個人情報管理に利用される。本人の写真とホログラフィ写真、サインを用いて本人の確認をする事ができる。カードにはICチップが埋め込まれ健康保険、年金情報が入っている。住所変更や保育所の申込みなど地方自治体のサービス、税務申告や学校などへの手続きの他に、インターネットバンキングや保険の手続きなどにも用いることができる。



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