いよいよ帰国

 9月27日(土)となった。 長いようで、終わってみれば短いフィンランド研修旅行も、いよいよ今日で最後となった。飛行機のフライト時間は17時20分だから搭乗手続きには15時ごろまでに行けば良いことになる。空港まではバスで30分くらいだから、余裕を見て14時過ぎのバスで行けばよいだろう。従ってそのころまでは、最後の自由行動時間とすることができることになる。 最終日はあまりに各人がそれぞれの思いで行動したので、エピソード的なものだけをまとめることにしよう。

ノン・セキュリティ
 朝食の時、メンバーも今日の予定について話をしていて、行動を一緒にしようとするグループもできたようだ。時間もないことだし、朝食後すぐに各々の行動を開始する事になった。 荷造りは、大体昨晩のうちに済ませてある。 部屋に忘れ物がないか、最終チェックをしてフロントへ向かった。 フロントで各部屋の精算を済ませ、昼過ぎまで荷物を預かってもらうことを了承してもらった。 荷物を置く部屋を聞いて、そこに向かったが、既に他の人のスーツケース等で一杯状態になっている。 そこを無理やりにお構いなく置いていかねばならないわけで、セキュリティもへったもあったもんじゃない。 チェックアウトしたら、同時にセキュリティ責任無しってことか!?
 全てではないのだろうが、フィンランドの不合理性を垣間見た気がした。

置き去り事件
 我々は4人でシベリウス公園などへ行こうという話がついており、フロント付近で待ち合わせていた。スオメンリンナに行こうと朝食の時に言っていた2人のうちの1人も相棒をまだかと待っている。 笑顔で談笑していたのだが、相棒を待っている一人の顔色が急に変わった。 待っているメンバーの同室の人がやってきて、「あれ~?彼女なら、もうとっくにホテルを出て行ったわよ。」と言ったのだ。 「えっ?もう30分以上待っているのに!」 「なんか時間がないとか言って、凄い慌てて行ったみたいだけど。」なんのことはない。今日も一つ事件から始まった。
 猪突猛進、いや横の見えない競走馬型、仲間置き去り事件とでも名付けようか。 おみくじを引けば、きっと『大凶 待ち人来たらず』と書いてあるんだろうなぁ。 港の方へすっ飛んで行く彼を見ながら、誰かがつぶやいた。

シベリウス公園へ
 ホテルからトラムの停留場まで歩き、シベリウス公園に行くことになっていた。(道程はしっかり立案されていたのだ。) 乗車するトラムの番号もわかっているから、ただ待っていれば良い。 ほんの10分くらいの乗車で目的の電停に着いた。 トラムを降りて、公園まで少し距離があり、店舗のウィンドウを覗きながらの散策だ。
シベリウス公園へのトラムを待っているメンバの写真
シベリウス公園へのトラムを待つ
 「デザインがやはりいいなぁ」 「こちらの方が町外れなので値段安いよ」 などといいながら、しばらく歩くと、公園らしい広々とした空間が道路を隔てて見えてきた。
道沿いに観光バスもチラホラ見え、目的地に到着したようだ。 ヘルシンキのチョットはずれの街中を歩いた。
郊外のショーウンドーの写真
郊外のお店のショーウインドー
 公園は、シベリウスを記念する巨大なモニュメントがあるが、それだけでもある。
 確かに綺麗に整備されているのだが、フィンランドはどこへ行ってもゴミが落ちていないため、綺麗であることが普通になってしまったようで、特別の感慨がなくなったのかもしれない。日本に帰ると、ゴミが落ちている薄汚れた環境がまた普通の風景に見えるんだろうなぁ。
シベリウス公園のモニュメントの写真
シベリウス公園のモニュメント
潮ダシ賞味
 公園に隣接して、海があった。 初めは、どこにでもある(失礼!)湖かと思ったが、しっかりした下調べによると、「ここは海です。」ということであった。ここで最後の挑戦を試みるものが現れた。 「バルト海の海水を飲んでみる。」というのである。
 ヘルシンキの面するバルト海は、湾のような地形になっており、海流の力が弱く、さらにフィンランドなどの陸から大量の河川水が流れ込んでくるために、普通の海からみれば塩分濃度が低いのだということだ。 それを体験したいということである。
バルト海の海水をなめている室谷さんの写真
バルト海の海水をなめている室谷さん
 他のメンバーは、彼の勇気ある(?)振舞いを見守るだけとした。 その壮大な体験のあとの彼の一言。 「ん~ん、塩分は薄くて不味い。」きっと彼は濃い口が好きなのだろう。

オリンピックスタジアム
 トラムの走る道を挟んでシベリウス公園と反対側にヘルシンキオリンピックのスタジアムがある。 ここまで来たら見るだけでもと立ち寄ってみる事にしたが、オリンピック記念公園の入口からスタジアムまで、かなり距離がある。 元気なものだけでもと一人が行ってみようと試みたが、オリンピックのシンボルマークが見えたところで、時間も少ないし、と断念し、戻った。

後方にオリンピックスタジアムが写っている写真
後方オリンピックスタジアム
さらばヘルシンキ
 午後2時少し前にメンバーは全員ホテルのフロント近くに集まった。荷物で山となった荷物置き場から、自分の荷物を見つけ出し、それを引き出すのに邪魔なバッグなどは遠慮なくずらし(ほっぱつけ?)ながらの作業であり、結構時間がかかった者もいたようだ。 こんなことして壊れたり、無くなったりすることないのかなぁ?とまた思った。
バスで空港へ向かうメンバーの写真
バスで空港へ
 全員取りあえず自分の荷物を確認し、中味も破損したりはしていないようであった。 しかし、部屋に帽子を忘れた者や、お土産のトナカイの乾し肉を冷蔵庫に忘れた者がいた。 フロントに相談すると、自分で取りに行けと部屋の鍵を渡された。 そんな騒ぎの後、ホテルからは目と鼻の先にあるバス停から14:15発のバスでバンター国際空港へ向かう。
『さよなら、ヘルシンキ、また来るよ。』誰に向かってのことでもないが、バスの車窓から手を振った。

フィンランド最後の最後
 空港に着くと、荷物を預けて身軽になりたいので、すぐに搭乗手続きをしにフィンエアーのカウンターに向かった。7人のバラバラの団体さんは、案の定、「窓際にして。」とか「二人掛けの席は無いか。」とか好き放題言っている。カウンター嬢の笑顔も心なしか引きつって見えた。
 搭乗手続きが終わると、別にする事もない。 いや、あった、あった。 免税品店で最後の買い物をしなければいけないのだ。 海外旅行の定番だが、職場や友人に配るチョコレートや、普段は買えない高い酒、街で気になっていたが買いそびれた物などを買い求めるのである。 しかし買い物をしだすと、 「もうフィンランドにはしばらく来ないやろうなぁ。」と思ってしまい、財布の紐もついつい緩くなってしまうようだ。
 昨晩は、あれだけ土産の収納に苦労したのに、気がつくと手には土産の入った幾つもの袋がぶら下がっていた。 さらに余ったユーロの処分用にと、小物を捜していたことも災いしてか、時間も知らず知らずのうちに経っていたようだ。 時計を見ると、あと30分もない。 しかも出発時間が近い便が結構あるせいか、最後の出国窓口がえらく混んでいる。 この時点では、まだ大丈夫だろう、と、タカをくくっていた。 しかし列は遅々として進まない。「ゲゲッ!」最後の買い物で走り回って出ていた汗が、冷や汗に変わってきたようだ。 
 近くには、のんびり屋のメンバーが3人ほどいる。心強い・・・? ますます時間は逼迫して来た。 もう5分ほどだろうか? 頭の中では、飛行機に乗り遅れた自分を勝手に想像し始めている。 いや~な気がしてきたその時、フィンエアーの係員だろうか、「成田便の方、いますか?」 とアナウンスしながら、長蛇の列を回りだした。 恥ずかしさ半分以上だが、手を挙げ、その天使の呼びかけに答えた。 「こっちのカウンターに来てください。」と凄く空いているところを指示してくれた。
荷物を運ぶ石王丸くんの写真
荷物を運ぶ石王丸くん
 行くと、時間のないせいもあるのか、ほとんどフリーパスの状態だ。「なんだ?セキュリティ対策はどうなっているんだ?」と毒づいてみたが、もちろん助けてもらっているので、誰にも聞こえないように心の中だけの呟きだ。それでも、聞こえなかったのか、我がメンバーのうち一人が遅い。 搭乗口で心配していたが、航空会社の担当者が、大丈夫だから飛行機に乗ってください、と言ってくれた。
 我がメンバーが来るのを確認してくれるようだ。 
搭乗予定者が来なかった場合は、結構大騒ぎになるのである。 爆弾テロの懸念からその乗客の荷物を下ろさねばならず、そのためにもう一度荷物ラックを下ろし、調べるから、優に30分くらいは遅れてしまうのである。 そうなるとメンバー全員が拘束!等ということも考えられる。 いろいろ悪い場面が想定され、困惑しきっている団長の横を、そのメンバーは何事もなかったような顔で、通り過ぎていった。

帰路の飛行機の中疲れて眠る団長の写真
帰路の飛行機の中 疲れて眠る団長
最後に
 無事翌日、成田空港に到着し、全員元気に高岡に帰ってきました。 今回の研修にあたり、たくさんの方々に多大なお世話やご協力をいただきました。 深く感謝いたします。
 今後、今回の研修の成果を我々の活動を通し、いい形で還元して行きたいと思っています。 我々は、我々のできる事は惜しまずやって行きたいと考えています。 今後も多くの皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
高岡駅に無事戻ったメンバーの写真
高岡駅に下りたメンバー
おわり
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