アルラ研究所

 看板があった所からも、ちょっと小高くなっているために、緩やかな坂道を登っていった。本館らしいものが見えてきたが、その手前に案内板があったので、研究所全体の位置関係や場所を確認することができた。といってもフィンランド語で書いてあるため、わかっているつもりでいるだけなのだろうが・・・。それによると、やはり正面に見えるのが本館だった。それにしてもこの案内板にもあるように、ゆったりとした敷地に、いろいろな施設棟が配置されているのがわかる。 本館の玄関は、二階まで総カガミ張りの造りになっており、モダンな感じがする。 施設掲示板の写真
施設配置看板
 例によってヒルボ氏が、受付で我々の到着を告げてくれている。しばらくして担当の方がみえ、2階の会議室に案内された。会議室には校長先生が待っていてくださり、早速自己紹介と挨拶を交わした。 もちろん、「Huomentaa!(おはようございます)」は忘れない。今日の研修も、予定通りとはいえ、一日みっちりと組み込まれている。もちろん我々のプレゼンテーション時間も割いていただいているので、頑張らなければいけない。まずは、校長先生のオリエンテーションからであるが、やはりここはフィンランドであった。 アルラの正面玄関前の写真
アルラの正面玄関前
 校長先生の話しが始まる前にコーヒーやジュース等の飲料が用意してあって、それらを配りながらのアットホーム的な雰囲気から始まったのである。そしてそれらをいただきながら、研修は始まった。
研修の詳しい内容は、報告書をご覧ください。
 このアルラ研究所の午前中の研修において、ユバスキュラの盲学校や、NKLとの連携というか関係が深い事がわかった。詳しくはわからないが、日本のように監督官庁の縄張りというか縦割り行政のような効率の悪さはないように感じた。 多分日本なら、ユバスキュラは文科省、NKLは厚生労働省の厚生関係局で、アルラは、厚生労働省の労働関係局の所管になっていそうな気がする。 きっとバラバラの指示で、お互いの存在さえもわからないかも・・・。
校長先生から施設について説明を受けている写真
校長先生からこの施設について
 午前の研修も多くの成果があった。ここでちょうどいいタイミングでのお昼だ。
ここアルラ研究所でも、食堂が完備されており、昼食をご馳走になることができた。
 今日の献立は、パスタ系の料理が中心であり、野菜サラダにコーン、パン等をいただいた。 訪問した所のどこでもそうだが、食堂は陽射しも多く、インテリアも明るいトーンでまとめられていて、気分よく食べることができるように配慮されている。他のテーブルの人たちも、いろいろ話をしながら食事を楽しんでいるように見える。 児島先生に聞いた話を思い出したが、フィンランドでは、昼食がメインの食事になるそうで、暖かい料理をとるのもやはりお昼だけみたいなものだそうである。 本日の昼食の写真
本日の昼食
食堂のようす その1
食堂のようす
仲良く食事をとっている写真
メンバー並んで仲良く食事
 夕食を簡単に済ませるという感覚は、ちょっと日本人からは理解できかねるが、こんなに楽しそうに食べているんだから、毎食そうすればいいのにと、思ったりもしたが、自立心が高く、一人暮らしの多いこの地ならではの文化なのだろう。もちろん我々は、毎食楽しくいただいている。自立心が無いからかなぁ?

(午後の研修についても報告書をお読みください。)
 午後の研修も我々のプレゼンテーションを含め、実のある時間となった。視覚障害者に対する職業訓練とそれをサポートするためのソフト開発等随分と参考させていただいた。
 ほんとに丸一日お世話になりっぱなしであった。我々の心ばかりの記念品を差し上げ、お別れする事となった。最後に玄関前で記念写真をし、アルラ研究所を後にした。駅に戻る道は、朝来た時と同じなのだが、太陽の高さのせいなのか、目的地が駅で行き先に不安がないせいないのか、多少違って見えるところがあった。標識一つをとっても、あぁ、こっちが駅だ、と余裕で読み取ることができる。
集合写真 3枚目 この3枚しかみんなでとった写真がない
集合写真
 標識に岩肌や草木、それぞれが興味のあるものを手に取ったり、ゆっくり鑑賞したりしているので、集団はバラバラ、一つにまとまることもない。 ヒルボ氏は、そんな我々を、自立心旺盛なフィンランド人と重ねたであろうか、それとも何にでも興味を持ち、人のいうことを聞かぬ幼子の遠足と捉えたのであろうか? 駅に近くなり、今度は高架橋からホームに行くことになった。朝方の線路をくぐる道よりさらにヘルシンキよりだ。高架橋の途中にはバス停もあったが、驚いた事に、この高架橋から駅の各ホームに直接行くことのできるエレベータが3基あるのである。 歩行者専用の道路標識の写真
歩行者専用道路標識
 しかも総ガラス張りである。今の時期は気温も丁度いいのだが、冷房もなさそうにみえるし、夏の暑いときのエレベータ内は大丈夫なのだろうか?いらぬ心配と思うが、気になってしまう。 ヒルボ氏の指示通り、一番奥のエレベータに乗り、下のホームに降りていった。
「こんな建築構造物、日本では許されんわ!」という建築専門家の呟きを聞きながらも無事エレベータはホームに到着した。ホームに着くや、なにやら発車のベルが聞こえる。 降り立ったホームの先を見ると、電車が既に止まっていて、発車しようとしているのであった。
駅のエレベータが向こうに見えている写真
向こうに見えるのがエレベータ
 今降りてきた所が、ホームの一番ヘルシンキよりであるために、止まっている電車までの距離が恐ろしく長く、遠くに見えた。「ま、電車に乗ろうとホームに人がいるうちは、なんぼなんでも発車しないやろ。」と、ゆっくりめに走って行こうとしたが、ヒルボ氏も急いでいる。 「ありゃ?フィンランド人は、大雑把じゃないのか!?」急かされつつ、だいぶんペースを上げて走ったため、電車に乗り込んだときには息が荒くなっていた。でもさっきの雰囲気だと今にもドアが閉まりそうな感じだったのに、閉まったのは2,3分後であった。
プラットホーム
 電車はデッキが広く、ここだけでも数十人入りそうである。デッキと客室部分の間はドアで仕切られている。丁度退社時間にぶつかったのか、結構混んではいる。しかしメンバー全員が客室に座れないまでも、デッキには充分に余裕があり、たいしたことはない。
 フィンランド人は終業後の時間を、自分のために使うという児島先生の話が、思い出された。なるほど仕事が終われば帰宅を急ぐ人がまぁまぁいるんだ、と軽く思った。
フィンランドでも、電車に乗りながら携帯電話で話をしている人を見つけた。
電車の中の写真 午後4時ごろはもう結構混んでいた
午後4時ごろなのに結構混んでいる
 しかし、日本のように着信音や着メロがあっちでもこっちでも鳴るようなことはないし、メールと睨めっこしているような人もいない。終業後は、他の人の邪魔をしたくないし、されたくもないということなのだろうか。急に日本人が幼稚性の塊のように思えてきた。
 ヘルシンキまで、いくつかの駅に止まるが、止まるごとにドッと人が乗り込んできた。さっきまでは立っていても少し余裕があったが、2,3駅も過ぎると日本の通勤電車さながらのスシ詰め状態になってきた。終業と同時に帰る人は、まぁまぁいるではなく、すごく多いんだと、改めて認識させられた。まだ4時半だよ!それなのにこんなにラッシュになるとは、驚き以外の何もない。
 ギュウギュウ詰めになっているために車内は暑い!吹き出る汗をハンカチでぬぐうのが仕事になってきた。体力も消耗され、限界に近づいた頃、電車はヘルシンキに到着した。
開けられたドアから、暑さのため上着やワイシャツのボタンを外して胸元までさらけ出し、腕も肘まで着衣をたくし上げた、汗にまみれた物体が吐き出された
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