フィンランド盲人連盟(NKL)

 トラムを降り、少し引き返す形で歩き出した。空模様はちょっと怪しくなってきている。
程なく、大きな鉄扉のあるビルの前に来た。
「ここです。」
ヒルボ氏は、そう言ったが、鉄扉に書いてある文字は、確かにNKLと略称できそうなプレートが貼ってある。
大きなビルなのだが、窓がないため倉庫のような印象だ。
扉を開けると、すぐ正面に受付があった。

フィンランド盲人協会 扉のプレートの写真
フィンランド盲人協会の扉のプレート
 係りの人が座っており、早速ヒルボ氏が到着を告げている。しかし、この建物が視覚障害者に関する組織の本部なのだろうか?重そうな鉄扉もそうだが、狭そうな通路なども、どうみてもそこいら中、バリアだらけに見える。
 しばらくして、Timo Kuoppalaさんが来てくださった。玄関ということで挨拶もそこそこに、エレベータで5階の会議室に向かった。エレベータといっても日本のように扉が引き戸のように開くのではなく、乗るときには、普通のドアのように扉を手前に引いて開けるのだ。『危なくないのかねぇ。』
そんな声も聞こえたが、ヨーロッパでは普通タイプのエレベータなのだろう。会議室に入り、改めて挨拶をさせていただいた。TimoさんはNKLの国際部長をされていらっしゃる方で、ご本人も弱視だそうだ。我々の訪問を心から喜んでくださった。
受付の写真
受付のようす
NKLの研修内容は報告書をご覧ください。

 午前中は、Timoさんと情報部からの研修だった。それにしても、驚く事や感心することばかりで、貴重な意見交換もできた。そしてお昼時間となったが、このNKLでも昼食をいただくことになった。盲学校でもそうだったが、フィンランドでは、朝はコーヒーのおもてなしから始まり、ランチを提供、午後からも適当な時間にティーブレークとなるようだ。訪問する事でただでさえご迷惑をお掛けしているのに、いいのかしらと思いながら、ありがたく食堂に案内していただいた。
 食堂は会議室を出てすぐの所にあり、結構混雑するので、プレートに盛ったあと、会議室で食事してもいいとご配慮いただいた。ビュッフェ形式なのは同じで、メニュー形態も同じような感じだが、今日はライスがある。カレーライスとは違うが、我々にとっては具材をライスにかけて食べる一種の丼のような感じで食することが出来た。もちろんパンもあり、米を主食にしていないこちらの方は、ライスも副食の一種と思っているようだ。 この席で、ヒルボ氏に先ほどの思いを問いかけてみた。

本日の昼食の写真
本日の昼食
「ヒルボさん、我々のようなものにまで、こんな食事をいただいて、いいんですかね。先ほども運営資金等の話があって、そんな裕福なものではないということでした。帰りに寄付をして行きたいのですが、どんなものでしょうか?」
「それは必要ないでしょう。フィンランドでは寄付欲しさにこのような活動を行っているわけではありません。また、このような事もごく普通の事ですから、ここは、相手の方を尊重して、快く受けておけば良いと思います。それでも、寄付をしたいのなら、今ではなくインターネットを通じて宛先を調べてなさったらいかがですか?」そんなものなんだろうと思うしかない。
昼食を取っている写真
昼食のようす

(午後からの研修も報告書をご覧ください。)

午後の研修も3時前に予定通り終わり、予想通りコーヒーブレークがあった。この後、我々のプレゼンテーションになるわけだが、この間を利用して、我々が持参した、サポートテープと記念品をお渡しする事にした。日本語はわからないと思うが、我々のやっている事や感謝の気持ちが少しでも伝わればと思う。
コーヒーブレーク うれしそうな西田さんの写真
コーヒーブレーク
訪問記念にサポートテープを贈っている写真
記念にサポートテープを贈る
 プレゼンテーションへ参加者が集まって来てくださった。盲導犬も同席してくれている。また、一人の参加者の方が、結構日本語の単語をご存知で、その事についていろいろ話をさせてもらい、和やかな雰囲気の中で始まった。
プレゼンテーションも報告書をご覧ください。

 午後4時を少し回った頃、今日の研修が終了した。今日もスケジュールはビッシリであったが、実も多かった。またまた充実した一日となった。

しかしNKLは一日で終わったわけではない。 金曜日にもう一度、下部組織や郊外施設等についての研修があるのである。 そういう訳で、とりあえず今日のお別れの挨拶を申し上げ、NKLを後にしようと鉄扉をあけたら、雨が降っていた。






プレゼンテーションのようす
プレゼンテーションのようす
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