フィンランドの首都ヘルシンキ駅へ到着

 午後7時半、ヘルシンキ中央駅に降り立った。ホームは8番線。さすがに首都だけあって、駅のホームの多いターミナル駅である。ターミナルというのは、欧米では多くあり、通常の駅(ステーション)と違って、終着駅(始発駅)といった意味である。従って、レールが全てそこから先が無くなっているし、そのためにホームは出口方面にあたる駅舎にまっすぐ伸びているだけで、ホーム間の連絡地下道や橋はない。日本で最も近い形態は上野駅になるだろうか。 ヘルシンキの駅に降りたメンバーの写真
ヘルシンキの駅に降りたメンバー
 列車を降り、ひたすら列車の先頭車両方向にある駅舎に向け歩く。しかしホーム上の人の少なさは、上野駅とは比べるべくもない。1/20?いや1/100以下かもしれない。 駅舎にたどりついたが、当然のように改札口のようなものはなく、あとはどの出口から外へ出てもいいようになっている。さすがに駅舎までくると人が多くたむろしているが照明が暗めで、ちょっと恐い。

駅のプラットホームの写真
外国の駅って何故かロマンティク
駅前広場の写真
駅前広場
 地図を頼りに、今晩からの宿泊ホテル、ホリディインに近い出口方向に向かった。ホテルは駅のすぐ横ということになっている。
日はもう暮れかかってきており、夕暮れの薄暗さが周りを包み始めている。ネオンがきれいだ。何故かネオンを見ると今日の疲れも吹っ飛ぶのって私だけ? ホテルのネオンもすぐにわかり、その方向に歩き出したのだが、駅舎の作りを見てみようと振り向いた時、変な事に気がついた。
 駅の名前が出入口の上に書いてあるのだが、2つ書いてあるのだ。
『Helsinki』
『Helsingfors』
Helsinkiはわかる。
もう一つは何だ?
よくわからないが、ヘルシンキにいる間に解答を探してみよう。





ヘルキンキ駅を外から見た写真
ヘルシンキ駅前
ホテルのロビの看板の写真
ホテルのロビの看板
ホテルの前景の写真
ホテル前景

ホテル ホリディイン

 ネオンに導かれるようにホテルにたどり着き、早速チェックインにとりかかった。当然フロントでも、「Iltaa!(こんばんは)」のコミュニケーションから始まった。
まだ、「Paivaa!」って、言ってる人も・・・・ほんの少し手間取った気もしたが、予約が入っていることが確認され、宿泊カードに記入を済ませ、順にキーカードをもらった。このホテルでは、さすがにバークシュのようにツインのシングルユースといった児島先生の威光は効かず、通常のツインルームとなる。ただメンバーは7人なので、一人だけがシングルユースとなってしまい、割高になるがこれは仕方のないことだ。キーカードの最初の数字は3で、全員部屋は3階となっている。

同じグループだから当然部屋も隣同士で、続き番号かと思っていたが、なんとバラバラ。302、318、323、334となっている。それでも、部屋の方に行けば向い同士とかでワンブロックになっているのではと思っていた。それぞれのチェックイン終了後、各自とりあえず旅装を解いて、8時にフロント付近にもう一度集合し、夕食を食べに行くことにし、チェックインの終わった者から、エレベータで各部屋に向かった。部屋の位置は我々の予想とは大きくかけ離れ、エレベータから降りると、右へ行く者、左へ行く者、さらにドアを開けて奥の方に行く者と、行く方向が全く違っていた。一緒に固めておくと、何を仕出かすかわからんと、日本から情報でも来ていたのだろうか?トップシークレットのはずだったのに・・・・。

 そうそうエレベータといえば、驚いたことがあった。普通に乗り込んだのだが、行き先階のボタンを押しても反応しないのである。普通は、ボタンを押すと、ランプがつくなりの反応があるはずだ。今は二人しか乗っていないし、重量オーバーということもないだろうし。そのうち何故かドアが閉まり、エレベータが上の階に向けて動き出した。「お、やっとわかったのか!」ここはホテルなので、ボタンを押しても次から次へ人が乗ってくることがあるかもしれないから、ドアクローズのボタンを押しても、きっと遅延回路があって、少し待ってなきゃいけないのかな、と思ってみたのだった。

 しかしエレベータは、我々の行きたい階とは違う5階に止まった。そしてドアが開き、見知らぬ(当然か?)男性2人が乗り込んできた。彼らのうち一人が、何事もなかったように行き先階である1階のボタンを押した。操作はそれだけである。ただ、エレベータの乗り込むときの表情は、怪訝なものだった。そりゃあそうだろう。下へ降りようと呼んだエレベータに下から乗ってきた奴がいて、この階に降りようともせず、また一緒に下まで乗って行くんだからねぇ。まぁ、こちらがどこから見ても強盗や痴漢に見間違えることにない善人という雰囲気を醸し出していたから、すぐにわかってくれたのだろうけど(どこからみてもボケ~ッとしていて人畜無害にしか見えないだけ?)、一瞬気まずい時間があった。
 下に向かうエレベータ内でも、「なんでこの人たちは、エレベータが使えるんだ?俺たちに意地悪なだけ?」なんて日本語で話していたのだが、雰囲気でわかったのだろう、1階についたときに彼らは教えてくれた。「もし、上に行きたいならカードキーをここに差し込め!」と、行き先階を示すボタンの横にある、カードが入る部分を指差した。「は~~ん、なるほど!」上の階へ行くときは、ルームキーでの認証が必要なのである。これもセキュリティ対策の一環なのであろう。ただ、下の階へ行くときに不要になっているのは、上から利用する人は、一度認証を受けているからなのだろうか? エレベータ内の写真 右側にルームキーを入れるとこがみえる
エレベータ内の写真
 ホテルの部屋は、さすがにこの春にオープンしたばかりのことはあり、きれいだ。ただ、ベッドが2つ、ド~ンと置いてあり、若干自由スペースが足りないような気もする。机に向かって椅子に座り、何か作業していると、すり抜けるのが難しいのだ。付属品として、インターネット機能を持ったテレビが置いてある。利用料が一日19ユーロと些か高い気がする。どのようにインターネットを利用するか、この後話しが出るだろう。窓からの風景は、部屋がバラバラになった分、当たり外れが出てきた。外れ部屋(334)は、カーテンを開けても隣のビルの壁と窓しか見えない。なんてこったい!最低!それ以外の部屋は、チャンと周りの風景が見渡せる。これは、後にお互いの部屋を訪問しあってわかったことであった。

 バスルームはシャワーしかないが、そのシャワーを包む形で造られているガラス戸ユニットがきれいなもので、洗面台もゆったりして床面も広く、使い手がいい感じだ。これなら洗濯の後、干し物をするにも充分だろう。北欧では、床面が暖かくしてあるので、洗濯物を吊るすより、床面に広げておいた方がよく乾くのである。


部屋のシャワールームの写真
シャワールーム
部屋の洗面台の写真
洗面台

ヘルシンキの夕食,『Zetor』

 午後8時頃、フロント周辺にメンバーが集まってきた。夕食は、『Zetor』というレストラン。なんでも観光ガイドブックにも載っている有名な店らしい。メンバーの一人の一押し推奨店である。手持ちのユーロが寂しくなってきたので、駅構内にある両替窓口で換金して行くことにした。駅構内は、到着したときよりもさらに暗く感じられ、そこだけ明るいといった感じの両替窓口で、ひ弱そうな(?)日本人が、ほぼ無防備で大金を換金している。心の中では、『危ねぇなぁ。』と自然につぶやきが出る。しかし、フィンランドの治安は、いままでいろんな人から聞かされていたように、予想以上に良いようだ。 駅にある両替場の写真
駅にある両替場
 ヨーロッパの大都市などでは、いわゆる出稼ぎ窃盗団や旧東側からの流民などによる犯罪が急増しているのだが、ここフィンランドではあまり話しに聞かない。
 多分、人口が少なく稼ぎにならないのもあるだろうが、IT先進国の政策として広く普及しているカードによる決済で、現金をほとんど持ち歩かないからなのであろう。実際、日本の感覚で言うと、100円、200円の買い物もカードで決済しているのである。日本だったら、いじくらしがられるのに・・・。 地図によると、トラムも走っている駅の前の道路を渡れば目指すレストランがある。・・・・はずであった。まぁ、駅前のビルのどれかの一画に入っているのであろうが、よくわからない。 少しウロウロしたが、ついに看板を発見した。もうこっちのものである。誰もがそう思ったが、看板があるだけで、ここからどこをどう行っていいのかがわからない。 メンバー全員で捜索にあたったがわからない。 困ったときは仕方がない。その辺の人に聞くことにしよう。なにやら待ち合わせをしている人にまず聞いて見た。返事は簡単だった。「知らない。」何だって?どうなっているんだ?

 はは~~ん、多分彼は、今日田舎から出てきたばかりか、あるいは僕たちと同じ外国人なのだろう。こんな流暢な英語で聞いているんだから、わからないはずがないからだ(ホンマかいな?)仕方がない二人目に挑戦しよう。なるべく地元っぽい人を探して尋ねよう。よし、こちらに向かって歩いてくる彼に聞いてみよう。 彼はめがねを掛けているし、ロシア人とは違う雰囲気の白人で、フィンランド人に見える。(実際フィンランド人は多くの人がめがねを掛けているし、その特徴の微妙な雰囲気が我々にもなんとなくわかりかけていた。)ほうらみろ!ビンゴ! そして、店のことも知っていて、このビルの通路を奥に入って行くとあるよ、と教えてくれた。丁重に感謝し、早速メンバーを集めて、その方向に歩いて行った。
 30mも歩くと、その店は、怪しげにあった。しかし今日はこの店と決めてきている。意を決し(一寸大袈裟かな?)ドアを開けた。店内は暗めで、スロットマシンなどもあり、アメリカの西部劇に出てくるような佇まいもある。 やっぱり怪しい。 奥のボックス席に案内され、そこに腰を下ろし、持って来てくれたメニューを眺めた。なかなかユニークなメニューで、フィンランド語、スェーデン語、英語の3ヵ国語で書いてあり、料理名も変わっている。
夕食のレストランの看板の写真
夕食のレストラン ゼトロ
 せっかくこういう所に来たのだからと、7種類の料理を頼むことにして、各人セレクトしている。大体決まった頃、ウェイトレス(かな?)が注文を取りにきた。まず、飲み物のオーダーである。ビール、ワイン、ジュース等各自が好きなものをオーダーした。日本のように全員がとりあえずビールというような、没個性集団ではない。続いて、料理のオーダーをしようとメニューを指差しながら 「これ」と言おうとした時、彼女は「今は、飲み物だけ」と、素っ気無く戻って行ってしまうではないか。

 何か取り残されたような気がしたが、すぐに戻ってくるのだろうと思っていた。しかし、来る様子はない。飲み物と食べ物で係が違う?まず飲ませて、酔った所で豪気になっているから、料理をかまわずドカ~~ンと持ってくる?
 いや、これは違うだろう。アルコールを飲まない、しっかりした人もいるから・・・。周りの様子を伺いながらも、いろいろ考えていたが、どうもわからない。 さぁ来た、この時とばかり注文しようとすると、またチョット待てとの事。ん~ん、飲み物があるから、ま、いっか!ま、とにかくヘルシンキに乾杯!と、あいなった。いや~~うまい。待たされた事もあるが、充実の一日で疲れきった身体に強烈な回復力をもたらしてくれる。これだけで結構至福感に包まれたのだが、そうそう料理を忘れていた。思わず騙されるところだった。(誰も騙し取らんよ~) 席に付いて乾杯している写真
まずは乾杯
 一杯飲んで、気分がチョット落ち着いた頃を見計らってか、料理のオーダーを取りに来た。待っていました!とばかりに注文しだしたのだが、先にも書いたように変わった料理名が多いので、どんな料理がくるのか半ば笑いながらの期待感もあるが、半分は不安げな表情であった。料理名、例えばこんな風だ。(英語の直訳なので、あしからず)
  • 満月サラダ(FULL MOON SALAD)
  • 四足魚のペストリー(FOUR LEGGED FISH PASTRY
  • これを分析しろ(ANALYZE THIS
  • ジャックポット!(JACKPOT!
  • 幸福なトラクター運転手のステーキ(HAPPY TRACTOR DRIVER’S STEAK等々・・・何だかわかります?
 料理が来る間、今日の事だけでなく、フィンランドに来てからの事、飲みながらいろいろ話をした。ヘルシンキに着いたばかりで、まだまだ本格的な視察研修が始まっていないのに、みんなすごく感激し、興奮し、目を輝かせて話が弾んでいる。見るもの聞くもの全て新鮮で、来なければわからなかった事ばかりで、まさにカルチャーショックの連続だから、こうなるのであろう。しかしさすがにの誇る精鋭部隊である。 興奮するだけでなく、こんな筈では?とかこんなことはどうなっているのかね? といった冷静な分析も決して忘れてはいない。 例えば、今日から泊る最新ホテルでもインターネット環境が日本から見れば良くないし、携帯電話もあまりにシンプルすぎるし、パソコンの家庭での利用率もそう高くないような気がしたりで、IT先進国としてのイメージが全然沸いて来ないといったようなことである。これから解明すべき課題である。
佐野、西田、石王丸さんで記念写真
小松、能登、野田さんで記念写真
 そんな話しか出来ない根っから真面目な集団も、酒が入って20分も経つと、いろんな話題で談笑し始めた。みんなホントの意味でフィンランドを楽しんでいるようだ。でも明日からのタイトなスケジュールが問題といえば問題かな?
 そのうちに料理が運ばれてきた。ウェイトレスは何か料理の名前をいいながら、誰が頼んだのか聞いているようだが、こちらは何が何やらわからんこともあって、手近の人が受け取ってテーブルの上に並べた。 一皿が一人前なんだろうけど、でかい。日本では充分に大盛サイズになるだろう。 もちろんこの機会に、飲み物の追加も忘れない。料理が来てからも大騒ぎ。なにしろ何が何だかわからないから、見るだけでなく、匂いをかいだり、フォークでつっころがしたり・・・ああでもない、こうでもないと口も負けてはいない。 写真担当室田さんも入って記念写真
 食べる前からしてこうである。食べ始めると、店の人が日本語をわからんことをいい事に、いいたい放題である。 「この肉、チョット固いね。松阪じゃないね。」 「チョットこの肉団子、何の肉?でかいな。」 「なんにでもジャガイモついてるね。」 「でもあんまりホクホクしとらんよ。」 「味付けが単調かなあ?」  何やかやといいながら、変形バイキング料理を楽しんだ。食べて、飲んで、喋って、もちろん、食べ残すはずもない。一部を紹介しよう。
つけ合わせのパンの写真 つけ合わせのパンです。黒パン風で少し硬め。
FULL MOON SALAD何のことはない普通の野菜サラダのような気がするけど・・・ 野菜サラダの写真
フィンランド風ミートボールの写真 Z BALLSZはZetorの略のようで、マスタードソースとマッシュドポテトを添えたフィンランド風ミートボールだそうだけど、何がフィンランド風なんだろう?

CHICKEN ELVIS

  “LOVE ME TENDER”な

  チキンなのです。

チキンの写真
よくわからないスープの写真

CREME de CREME of

BALTIC SOUP

HAPPY TRACTOR 

   DRIVER’S STEAK

 トラクターを運転して農作業を終えた後のステーキはハッピーな味? 
ステーキの写真
 味、値段など総合評価は、まぁまぁとして、一同、満足して店を出た。 気分も高揚し、夜の帳にネオンとくれば、フラフラもしたくなるが、どこにどんな店があるかもわからず、メンバーに迷惑かける事態にもなりかねないので、団体行動でホテルに戻る事にしたが、それで終わりではなかった。途中、スーパーマーケットの視察(?)に行くことになったのだ。あんだけ食べて飲んだのに、まだ足らんという御仁が居るってことかな?
町の夜景の写真
町の夜景
 ま、別に今晩に限らず、5日間もいるわけだから、夜、喉が渇いたり小腹がすいたりしたときのために、寄れば欲しいもの物もあるに違いないし、見るだけでもおもしろいだろうということなのだろう。場所もホテルへの帰り道にあり、ちょうど良い具合だ。
 スーパーはソコスデパートの地下にある食料品売り場である。広い店内に、豊富な食材がならんでおり、こんな時間にもかかわらず、結構多くの客で賑わっている。いろいろなものに目が行く。 普通は、中がわかるような包装になっており、そうでない場合も写真や絵表示で、この品物が何なのか大体わかるのだが、物によっては、表示もフィンランド語なので見てもわからないものがある。そういう食文化の違いを間近に感じることができ、やはりこういうところを見るのもすごく面白いものだ。 スーパ内の写真
 ホテルの部屋でワインぐらいいつでも飲めるようにと、酒コーナーを探していた。なかなか見つからず、おかしいなぁと思っていると、確かにアルコール飲料も売っているのだが、その店先は何故か厳重にシャッターが降り、山積みしてあるビールも鎖に縛られている。よく見ると、このアルコール部門のシャッターには営業時間が21時までになっていた。この店の店主が店の方針として、この時間までの営業にしているんだ、と軽く思い、仕方なく、今晩は、水とジュースくらいにしておいた。

 ホテルに着き、シャワーを浴び、ゆっくりとテレビを見ながら、眠りに着いた。相棒は、自分のコンピュータをインターネットに繋げようと、試みているようだ。頑張ってねぇ、おやすみ・・・・・
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