ユバスキュラからラハティへ

 大きな、ホントに大きな成果をもらって、国立盲学校からヘルシンキへ向け帰途についた。予定をオーバーしていたけど、メンバーは充分に満足していたようだ。これからは、バークシュのホテルタルッカに預けてある荷物を受け取り、ラハティでレンタカーを返し、そこからヘルシンキまで列車かバスで行くつもりである。帰る頃になると、段々天気も回復の兆しが見え始めていた。 風景1 おきまりの畑と向こうに見える森の写真
風景1
 午前中に来た道を戻って行くのだが、やはり進行方向に背を向けての乗車は苦手な人が多いようで、二人が車の後部の荷物スペースで足を伸ばして寝ながらいくことになった。後ろのドアを開け乗り込むが、幸いな事にスペースは充分にあるようだ。大丈夫なのかな?クッションもないので少々心配でもあるが、いつも硬いセンベイ布団の愛好者なのだろう。
森と湖、そして時々岩肌がむき出しになった所もある。今までも時々見かけてきたが、こういう地質が突然現れる様は迫力がある。
道路に岩盤がむき出しになっている風景もよく見かけた
風景2
 しばらくは最奥部にいる二人も何事もなく順調であったが、そのうちにメンバーの一人の様子がなにやらおかしくなってきた。その事を運転していた児島先生に伝えると、湖畔の道端に車を止めてくれた。そのメンバーは、後ろのドアを開けてもらい、荷物室から出るや否や、湖に直行して行った。他のメンバーも心配顔であるが、あのダッシュ力があれば大丈夫だろうと思われた。
湖畔で小休止している写真
湖畔で小休止
 詳しくは割愛するが、自然に戻しているらしい。ここの場所も、まさにフィンランドという感じで、気持ちが癒される。白樺に湖。手つかずの自然が湖の向こうに広がっている。 気分の悪くなったメンバーを他所に、それぞれが肌でフィンランドを感じている。 今走ってきた道も都市感を結ぶ道路なのだろうが、車の交通量は少ない。大型トラックが時々、大迫力で行き過ぎていく。 天候もよくなって、青空が見えてきた。 車酔いしたメンバの写真 湖に・・・
湖に・・・車酔い
白樺の向こうに湖が写っている写真
白樺の向こうに湖
あまりの素晴らし景色に身をのりだして写真をとっているメンバ
身を乗り出して写真をとっている
休憩用のわき道の写真
休憩用のわき道
わき道の横を大型のトラックが入っていく写真
横を大型トラックが走る抜ける
 彼のメンバーの体調も回復したようだし、他のメンバーにも充分な休養になったようだ。そろそろ出発ということになり、ここからは国際免許取得者が、また運転させてもらうことになった。まだ未経験者の一人が、手ぐすね引いて待っていたようで、気合も入っている。
 しかし心配だ。(陰の声)準備も整い、エンジンスタート! そろそろと動き出し、車線に合流するために、一旦停止し、左後方から車が来ないことを確認し、左にウィンカーを出して、行こうとしたとき、ワイパーが動き出した。全員爆笑。運転手オロオロ。 いや~、やるとは思っていたが、しっかりとボケてくれる。とにもかくにも、出発したが、しっかり頼むよと、心から祈願した。やはり少々の不安があったためかどうかわからないが、途中で喉の渇きを覚えてきたメンバーが数人。 どこかに飲み物でも売っている所がないかと児島先生に聞くと、もう少し行くとスーパーがあるということで、そこに立ち寄ることにした。 ドライバー佐野さんで出発する写真
いよいよ佐野さんの運転
 日本ならどこででも自動販売機が見つかるものだが、欧米では屋外にそんな物はまず見たらない。置いておくと、外に金庫を放置しておくようなものだ、と聞いたことがあるし、フィンランドでは、人口密度が小さいから、まず商売にはならないとしたものだ。でも自販機が無い事によって、カンやボトルのポイ捨て等がなく、自然環境が守られているのも事実だろう。
 数分走ると、スーパー、日本流に言えばコンビニらしき建物と看板が見えてきた。スーパーは道路左側で、ちょうど交差点の角にあり、一旦停止して左折していかなければならないことになる。運転手は、左側通行の癖がまだ抜け切っていないようある。対向車の見方や車線の取り方などで乗客の思いとはちょっと異なった行動を取り、それがための歓声(悲鳴?)が響き渡ったりもして、微妙に危なかったこともあったが、なんとか駐車場にたどり着いた。車が停車したとき、疲労の色が濃かったメンバーの顔色が心なしかホッとしたようにも見える。スーパーでは、飲料(もちろんミネラルウォーターも忘れずに)やガム、お菓子など各々買い物を済ませた。

 ホテルまであと少しらしいが、ここで運転手も交替した。国際免許取得組の最終メンバーだ。体調を崩していたが、もう大丈夫のようだし、なにより運転手は車酔いをしないだろうからいんじゃないかと思った、いや思いたかった。だが心の中は、前任者の運転記憶がまだ鮮明に残っており、やっぱり不安だ。その不安をすっきりと忘れたいが・・・ とりあえず慎重に車を発進させた。

 車道に入るためには、駐車場から左折していくことになる。鬼門の左折行動である。ワイパー事件は・・・起こらなかった。車は左折を始め、車道に出た。左右、オ~ライ!車は左折行動を初めたが、一向に右側車線に車が行かない。「わぁ~~~、車線が違うやんか!」そう、対向車線を平然と走ろうとしていたのである。その悲鳴に似た叫びで気がついたのだろうが、本人は突然の事でパニックっているらしい。右に行こうとハンドルを右に切ろうとしたが、短いけれど分離帯があるために、行けなくなっている。それに気づいて、急にブレーキを踏んでしまったり・・・ついには立ち往生。しかし、ここがフィンランドの田舎の地でよかった。全く対向車が来なかったのである。気を落ち着かせ、ゆっくりと走行車線に戻る事ができた。もっとも通行量が多い道に入るのであれば、車の動きでどこの車線に入るかわかるので考える必要もないのだが、ここは車が来ないので、きっと考えすぎて間違ったのだろう。そうだよね?(しっかりフォロー)走行車線に入ってしまえば、ほとんど一本道で心配はない。何事もなかったように、ワーゲンワゴンはホテルタルッカに到着した。

 このホテルでする事は、荷物の積み込みとそれに伴って起こるトランクルームから追い出される人の移動、及びトイレ休憩である。人も含めて、積み忘れがないことを確認し、ラハティに向け出発した。運転は児島先生である。
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