ユバスキュラ国立盲学校

研修内容については、別項の報告書を読んでください。
 駐車場に降り立って、あたりを見渡した。建物は新しい。最近建て直したようである。雨はほとんど上がっているように見えるが、雲はまだ厚い。 数人の学生らしき人が、介護者と共に散歩(?)している姿もある。約束の時間に遅れている事もあり、早速玄関口に向かった。
 アルミ製の重厚なドアの上には『JYVASKYLAN NAKOVAMMAISTEN KOULU(ユバスキュラ国立盲学校)』と書いてある。ドアの上部にはスピーカーのようなものがついており、内側からこのドアを開けると、音が鳴り、ドアがあく事を外側の人に知らせているようだ。
ユバスキュラ盲学校正面玄関の写真
ユバスキュラ盲学校正面玄関
 そのドアを入ると風除室のようになっており、その先にまたガラス製のドアがある。 ドア越しに受付窓口と奥に続く長い廊下が見えた。 そのドアを押して入る。 誰からともなく、
「うわ~、明るくてきれい!」という感激に満ちた声が漏れた。 実際、館内は色があふれ、照明も明るい。盲学校というと、第一感的に暗いんじゃないかと勝手に思っていた我々の意識は完全にぶっ飛び、そして恥じた。

ドアについているチャイムの写真
ドアに付いているチャイム
 児島先生が、受付窓口で到着を知らせてくれている。待つこと数分。二人の女性が、にこやかな笑顔と共に我々を迎えに出てきてくれた。貫禄のある(失礼!)お方がなんとこの学校の校長先生。 もう一人のお方が、今日の案内役のパルマリ先生。我々の事を児島先生が事前に伝えておいて下さったらしく、情報担当の先生である。我々もこの日のために作った名刺を差し出し、自己紹介を兼ねた挨拶を交わした。 余分な荷物は、すぐ脇にあるクロークに置かせてもらい、早速視察を開始することになった。ただ、校長先生は、所用があり最後まで付き合えないということであったが、丁重な挨拶に痛みいった。
受付の写真
受付
まずは挨拶している写真
まずはご挨拶
校長先生と能登さんの挨拶している写真
校長先生と能登さんの挨拶

施設の概要や研修内容、質疑応答は報告書本編を参照してください。
 午前中の研修は終わった。これから我々を食堂に案内してくださるそうだ。この学校に来るときに車の中から付近を見てきたが、レストランらしきものがなく、お昼はどうするのか心配していたところであった。しかも、招待していただけるとの事。喜んで同道した。
 食堂は、本館から20m位離れた別棟になっていて、建物の入り口に『RUOKALA』とフィンランド語で書かれている。配膳はセルフサービスになっていて、既に我々の前に数人並んでいた。その人たちのやり方を見ていれば、どれをどう取っていいかもわかるだろう。
食堂の入り口の写真
食堂前
セルフで昼食準備中のメンバの写真
昼食はセルフでバイキング
 本日のメインディッシュは、パスタにポテトのようで、この食材が平均的なフィンランドの主食となっているようだ。あと、パンにサラダやデザート、飲み物と、結構種類もあり、おいしそうに並んでいた。 食堂の中は40人も入れば一杯になるような広さだが、とても明るく、テーブルや椅子、カーテン、そして子供たちの作品を使ったインテリアのデザインもすごく『暖かさ』を感じさせ、さすがにデザイン大国だなぁと思った。  食事をしている人々の顔の表情も豊かで、ランチタイムを心から楽しんでいるようだ。 食堂の一角を独占し、午前中だけでもホントにたくさん受け取ったフィンランドの教育におけるカルチャーショック等を話し合いながら、みんな、遠慮もせずにたくさんいただいた。

何を食べるか準備している写真
どれにしよっかな?
来賓用の食堂の写真
来賓用の食堂
食堂の壁にも絵やかんが飾ってある
食堂の壁
食事中の写真 食事中の職員の方の写真
職員の方の食事風景
 明るくゆったりとした教育環境だけでも相当な驚きであったが、教員や教育教材の豊富さ、特にIT機器の積極的利用による少人数教育は、予想以上である。また、個人の感性や能力を充分に尊重している。これも児島先生のレクチャーにあったように、フィンランド人の最大の特徴である『自立精神』を養うためのものであろう。
 もうこれらの事だけで、報告書がタップリ書け、今回の視察目的の大半を終えたのじゃないかと正直に思ったくらいである。
しかし、恐るべしフィンランド!
 午後からも、いやこれからも社会制度など、まだまだ驚くようなフィンランド事情研修が、続くのであった。
今日の昼食の写真
本日の昼食
午後の研修内容についても詳しくは報告書本編を参照してください。
 午後からも食堂でのコーヒーブレークを交えながら、いろいろ話を伺った。立体教材や点字教材など、その多くが校内で手作りされており、その設備の充実している事や全国から集まる子供たちのための宿泊施設のすばらしさとその家族利用制度などに感心した。10日間の短期研修とはいえ、家族が同伴で一緒に生活してもよく、しかもその間の休業による収入減を政府が補償してくれるのである。高負担による福祉制度とはいえ、発想自体、日本では無理だろうなぁ。
部屋のプレート作成機の写真
部屋のプレート作成機
生活のトレーニングルーム 食卓の写真
生活トレーニングルーム
 トイレなども拝見したが、蛇口のレバーが大きく確認しやすいとか道具の配置位置などもちょっとした工夫で使いやすいようにされているようだ。見る物聞く物全てが勉強になるものである。
トイレの蛇口の写真
トイレの蛇口
トイレの写真
トイレのようす
 全館の施設視察や説明が終わり、昼食をいただいた食堂でクッキーをいただきながらのコーヒーブレークとなった。おさらいという事で、今日の研修全般で感じたことや得られた情報について、あるいはこれから我々が訪問するNKLやアルラ研究所との連携についてや今後のIT利用の方向性等を含め、総括的な質疑応答をさせていただいた。
 パルマリ先生からも日本の現状についての質問があったり、我々も我々の日本での活動についての補足説明や今後の展望を話し、それについてのアドバイスや感想をいただいたりと有意義な時間となった。クッキーのおかわりをいただきながら時間はもう3時半になろうとしている。予定を大幅に超えた(といっても、我々が2時間くらいと勝手に思っていたのだが)研修となった。
視察の後の意見交換している写真
意見交換会
 いろいろご教授いただいたパルマリ先生の熱心さや格別のご配慮をいただいた校長先生にはただ感謝するのみである。食堂を出て、本館の明るい廊下の雰囲気や、壁に展示してある生徒達の作品を、もう一度味わいながら、玄関へと向かった。
 最後に玄関口で記帳することになっていて、日本語での署名をさせてもらった。
荷物を受け取り、記念写真を撮って、国立盲学校の視察研修を終えた。
記念写真 集合写真その2
記念撮影
訪問台帳に記録している写真
訪問台帳に記録
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