児島先生宅(フィンランド式,サウナ体験,)

児島宅に着いたときの写真 ハイキング気分での楽しい小トリップは色々の風景に出くわしながらも終了し、児島先生宅に無事到着した。 先生のお宅も自然と共生しながらの素晴らしい環境の中にある。 前庭から玄関までタップリとしたスペースがあり、なにやらキノコも顔を出している。まさか後で、このキノコを食しようとは、このとき夢にも思わなかったが・・・。 
庭のキノコの写真 後で食べることになるとは・・ 到着した事をお伝えし、玄関からお招きいただいたが、例によってメンバーは、許可も得ずに他人の敷地内を、わ~~とかきゃ~~とか言いながら裏庭の方まで歩き回っている。 先生の「後でゆっくり見りゃいいよ。」 という声で、ようやく家の中に集合して来た。 リビングに通されて、またビックリ。
 2,30畳はあろうかという広いリビングなのだが、その大半を大小の織機二台が堂々と占拠し鎮座ましていた。 
 奥様の仕事場ということであったが、壁にはその織機で織ったタペストリーも飾られている。 じっくりと糸仕掛けを見せてもらったが、「今取りかかっているデザインについては秘密だから、よろしく。」 と、先生がおっしゃった。それはそうであろう。 この北欧というデザイン王国で、デザインを生業としておられるんだから・・・。
 部屋にお招きいただいて、しばらく部屋の様子などを見せてもらっていたのだが、先生からサウナの準備をしているんだけど、手伝ってくれないかと声がかかった もちろん何でもやりたい、見たいメンバーに依存がある筈もなく、下準備の手伝いということで、サウナまでついて行くことになった。
 裏庭に回って、そこから林のようなところを行くと小さな小屋が見えた。 そこがサウナ小屋なのだそうだ。
さらにそのサウナ小屋からは、すぐそこに湖が見え、桟橋が架けてある。 なんというロケーションなのであろうか!これが個人所有の家だってぇ~?
サウナ小屋前の説明を受けている写真
サウナ小屋前で
サウナ小屋前の湖の写真 野田さん勝手に湖に向かっていく
サウナ小屋前に湖が
隣に住む友人が、自分の敷地に線を描いて、こっち側はお前に売ってやると言ってくれ、それを譲り受けたのだそうだが、マイビーチならぬマイ湖岸付きで優に600坪はあるそうだ。土地がタップリあるフィンランドらしい話であるけど、随分とアバウトなもんだと感心(?)した。日本なら1mmも間違えないように測量して、登記するんだろうけどねぇ。 サウナは、昔ながらの形をとどめている物で、熱源となる大きな石を薪で暖めていくのだそうだ。
 そのため世話も大変で、今日も数時間前の朝早くから火入れをしてくださっていたそうだ。 近年は、手軽さから家庭やホテルなどでは電気やガスのような熱源を使っているようである。
 確かに今朝ホテルで入ったサウナもそんなタイプだった。ということは、我々は今からフィンランド人もあまり経験していない本格フィンランド式サウナをいただく、そういう事になるのだ。最高のご馳走である。
 先生は普通の事と言わんばかりに作業をしておられるが、サウナの命は石の温度である。多分我々の到着する時間を計算して、朝から薪を何度も足す作業を繰り返してこられたのであろう。
サウナ小屋から薪を取り出している写真
薪を取り出している
 もう石の温度は十分に上がっているようで、これから入るための前準備をしなければいけない。 まず、サウナ内の薪を取り除く。 もう熱供給源はいらないし、入浴中に灰が飛んで悲惨な目に逢うことになるからだ。
先生は、暗いサウナ室に息をとめて入り、上手にスコップと掻き出し棒でまだ火の気の残る薪と灰を掻き出し始めた。
サウナ小屋から取りだした炭をコンロに移している写真
この炭でバーベキュー
 そして、掻き出したもの薪と灰を、バーベキュー用のコンロに入れていくのである。環境への配慮ももちろんあるだろうが、それ以上の意味もあった。 この作業を何回ともなく繰り返すのである。 その間、我々は見ているだけであったが、せっかく手伝いに来たのである。
「私にもやらせて」と、何人かが、かってでた。 昔のコークスストーブの灰処理で取った杵柄とばかりに、作業し始めたが、さすがに(昔の人は)要領を得ているようだ。
早速手伝う能登さんの写真
能登さんもお手伝い
 薪の処理が終わると、最後に石に水を掛け、その蒸気によって室内に充満した二酸化炭素タップリの空気を外へ追い払う。
 これをやらないと一発で二酸化炭素中毒となってしまうのは明々白々だ。 以上で下準備が完了したことになる。 ここで児島先生から一言。
「これで、サウナに入る準備はできましたが、サウナに入って温まった後は、湖に入って身体を冷やしてください。それができない人は、入らないでくださいね。」
負けじとお手伝いする野田さんの写真 ほんとはじゃましてたりして
負けじとお手伝い
 「え?湖に入らないとダメ?」初めは冗談かとも思った。確かにそういう慣わしというか風習は聞いた事がある。 でもそれは夏の間の事と思っていた。 今はまだ9月とはいえ、フィンランドである。多分気温は12~3℃で、水温はもっと低い一桁だろう。それに湖の水質はどうなのかと心臓に懸念のある御仁が考えた。
「大丈夫、大丈夫、今まで死んだやつはいない。ワッハッハッハ。」そうは言われても・・・・ 少々の憂いを残しつつも、水着に着替えるために一旦家の方に戻った。
 喜々として着替えをする者も当然いる。そんな悲喜交々(ちょっと大袈裟かな?)の情景がサウナ小屋まで続いた。 サウナの入口で、室内は壁や座るところにススがこびりついているからと、木製の敷板を渡された。

 中は、座るところが二段になっていて、8人が丁度入れるような大きさだ。 暖かい空気は上に行くからとなるべく上段を勧められた。 照明はなく、全員が入りドアが閉まると真っ暗になる。 なにか異様な感じだが、暖かいので気持ちはいい。
「じゃぁ、始めるよ」 といいながら、先生が熱くなった石に水を打つ。 『ジュッ!』という音がした瞬間にその水は蒸気と化し、熱風となって我々の頭部の方から襲いかかってくる。
「わぁ~~、熱い~~!けど気持ちいい!」 虐められることに喜びを感じた瞬間のような声が響き渡る。 個人差はあるが、その時点ですでに汗が体中から吹き出た者もいた。 しかし先生は容赦なく水を打つ。 その度に、『ジュッ』と音がし、熱波が襲い、ドッと汗がでる。 やはり見ているだけでは(といっても部屋は暗くよく見えないのだが)我慢できないメンバーから予想通りというか、やっぱりというか
「私にもやらせてください。」という声が発せられた。初めは恐る恐るという感じで柄杓に遠慮がちの水を入れて掛けてみた。しかし暗いために掛けるべき目標がはっきりしない。 掛け声と共に掛けたようだが、あのジュッという音がしない。 「はずれ~~、もっと石の上の方を目がけて。」とアドバイスが飛ぶ。 『ジュッ』 今度は当たったようだが、水の量が少ないためか、あの豪快な熱風が来ない。 たまりかねた先生から「もっと、たくさん掛けていいよ。」と言われ、それではと柄杓一杯の水を思いっきりかけることにしたようだ。
『ジュッ!!』 「来た!来た!来た!」 今ではすっかり心地よく感じるようになった熱風が襲来する。10分もいると、一部の人間からは滝のような大量の汗が全身から流れ、そのため水分を失った脳みそが乾ききったような感覚になってきた。 そして、徐々に脳みその温度が上昇していく。 「ヤバイカモシンナイ・・」
15分を過ぎた頃、そんなつぶやきと共に一人外に飛び出していった。 結構冷たい風が吹き抜ける桟橋を駆け抜け、先生との約束どおり、ゆっくりと梯子から湖に身体を沈めていき、火照った身体を冷ました。「気持ちい~い!」自然と言葉が口をついて出る。多分水温は10℃もないと思うんだが、頭まで湖の中にいれ、再び水面に顔を出した頃は、すっかりフィンランド人になっていた。(なんのこっちゃ!)
 さっきまでは、憂いを帯びていたはずなのに、そんな事があったことすら、すっかり忘れてしまったようだ。あの脳みその乾きのせいかも・・・。 他の人も次々と湖に向かって走ってくる。 そして口から出る言葉は、やっぱり一つしかない。
「気持ちい~~~~い!」 そんな大きな声を上げてはしゃいでいる我々のすぐ傍を、少しは迷惑そうな顔をしたようだが、あまり気にしていないとばかりに鴨が悠然と泳いでいった。
湖で身体を冷やしている石王丸さんの写真
湖で身体を冷やす 石王丸さん
 湖から上がり、小屋の方まで戻ると、先生がナイスなおもてなしの準備をしてくださっていた。まずはビールである。
日本でもよく言う、『風呂上りの・・・』である。 ラッパ飲みだが、この情景にはこういう飲み方がまさにぴったりで、これしかないだろう。 さらに、さらに、やはりあのバーベキューコンロは伊達ではなかった。 おいしそうなフランクフルトが、さぁ食べてくれといわんばかりに網の上に載っている。
サウナの後ビールを飲んでいる西田さんの写真
ビール、ビール
 もちろん、すぐにいただいた。
「うま~~い!!」 言葉はこれで充分だろう。 先生推奨のマスタードをタップリつけて食べるのだが、そんなに辛くなくおいしいマスタードだ。
(さっそくお土産候補としよ~~っと)
 湖から上がり、結構長い時間、そんなに暖かいとは思えない外にいるのだが不思議と寒くない。 むしろ体の中はポカポカという感じさえする。 これこそが、サウナの効用なんだよと、児島先生が教えてくれた。
フランクフルトと舌鼓の野田さんの写真
フランクフルトに舌鼓
メンバーの中には、サウナと湖の往復を何回もしているものもいる。それくらいこのサウナ体験は、いいものであった。(でもビ-ルは一人一本だよ~。) 先生のお宅のシャワー室で、体の汚れを拭い、しばしの休憩となった。 その間の話は、やはり今経験したことに集中している。
「気持ちよかった。」、「いい経験させてもらった。」は当然として、「サウナは、自然をうまく活用するというフィンランドの生活の知恵の凝集したものだね。」
「楽しむ前の準備が大変だから、入った後は収穫の喜びに似ているんだろうねぇ。」 「あの水を打った瞬間の熱風、今まで味わったことないなぁ。日本のサウナでもあのストーブみたいなところに水打っていいのかなぁ?」
「日本のは多分、熱媒の中にヒーターが通っていて、石みたいに容積が大きくないから、パカッと割れるかもしれんよ。」
 そんなホントかどうか怪しい会話も交えながらの談笑であったが、全員がサウナ好き(本格フィンランドサウナだが)になったのだけは確かなことだ。 そのために、最後にはこんな意見も飛び出した。
「自然に根付いたフィンランドの歴史や文化を充分に経験、そして堪能した。フィンランドの全てはこういうことに裏打ちされている筈だから、もうこれ以上の研修は望むべくもないんじゃない?だから研修は修了として、あとは大自然と遊んでいてもいいんじゃないかい?」
おい、おい、せめてヘルシンキの赤い灯青い灯くらい見せろよ!・・・・・ン?

 我々にとって貴重な経験になった事は、間違いのないことであった。 この談笑の合間に先生は、台所で簡単な食事の準備をされていたようで、テーブルに料理が並びだした。 先生お手製の料理である。
 そこで我々も、配膳を手伝いつつ、持ってきた日本酒を取り出し、テーブルに置いた。こういう事は手早いのである。 先生は簡単な料理で、と謙遜されていたが、どうしてどうして、色合いもよく(さすがデザイナー!)、すごくおいしいそうだ。
 何にもまして、日本の米がうれしい。日本を離れてまだ二日目だが、妙に懐かしい気がした。 ワイワイと取り分けながら、ご馳走を前にすると自然に表情が緩み、雰囲気も急に明るくなったようだ。 テーブルの上には、先生お手製の料理が二種類、日本酒にジュースが置いてある。
夕食のフィンランド料理の写真
夕食のフィンランド料理
酢の物の写真
酢のもの
 食事をいただきながら、そして酒を飲みながらの歓談はいやがうえにも盛り上がる。
日本酒もよく料理にあっておいしい。(何でもおいしいんだろうって?フフフ、卓球!いやピンポ~~ン!) 「先生、このジュース、さっきもサウナ小屋の所でいただいたけどおいしいですね。何処にでも売っているんですか?」 「いや、これは家の周りにあったのを見てると思うけど、黒い木の実みたいのが生っている木があったでしょ?その実を絞って、チョット寝かせて作るんだよ。」
夕食の写真
今晩の夕食
「ええ、たくさん生っていましたね。ホンマの自家製ってやつですか?」
「そうそう、ちょっと摘んでくる?」
そう誘われたら、喜んで行くのが我がメンバーだ。 多分ブルーベリーの一種なんだろうが、まさか実際にジュースとして味わえるものだとは思わなかった。 数人のメンバーが外に出て、はしゃいでいるのがよく聞こえる。
みんなで盛り付けを手伝っている写真
みんなで盛り付けお手伝い
 近所迷惑になりはしないか心配だったが、ここはフィンランドだ。隣の家まではかなり距離もあるようだし、先生もついているから大丈夫なんだろう。 しばらくしてメンバーは、収穫品とばかりに、皿に一杯の木の実を摘んで戻ってきた。 それだけではないようだ。 そうそう、前庭に生えていたあのキノコもだ。この時はまだ食べることができるなんて知らないから、「おう、おう、何でも取ってきて、どうするんだろうね。」程度にしか思わなかった。 木の実を収穫している佐野さんと石王丸くんの写真
飲み物補充にお庭へ
 しかし、先生がそれをいきなりつかんで洗って、包丁で切り出したのにはビックリした。 「まさか・・・」そのまさかである。
 フライパンに放り込み、軽くバターで炒め、そのまま皿に盛って出来上がりだ。 見た事がないキノコなので、大丈夫かなぁ、と思ったが、先生が今も元気にいるって事は大丈夫なのだろう。 
意を決して、ウソ、ウソ、酒の肴として自然に箸がでていた。 歯ざわりも良く、思ったよりおいしい。 

収穫した木の実の写真
収穫した木の実
 それにしても、自分の庭に、それも手を加えずに自然に、食材が溢れているとは、「フィンランドだねぇ!」というしかない。最後に、これも手作りのケーキまでいただいた。(ケーキも酒の肴?)
 さて楽しい夕食も終わり、後片付けの後、今日の訪問の本題に移ることにした。まずは訪問先で行う我々のプレゼンを聴いてもらう事だ。
 日本から遥々持ってきたプロジェクタが故障するというハプニングもあったが、英語によるプレゼンを、パワーポイントの画面に合わせながら行った。
庭のキノコを料理している写真
庭のキノコで料理
淀みない(?)英語と、ときたま『え~~っと』という合いの手を入れながら進められた。
プレゼン原稿は別項にあります。
 終了後、先生が一言。「チョット長い。」
確かに、聞いている身にとっては長過ぎる感がした。 半分程度になるように、修正した方がいいだろう。 早速今晩の宿題ができた。 そしてメインの児島先生インタビューへと移った。

プレゼンを見てもらっている写真
プレゼンを見てもらっている
インタビュー内容は報告書をご覧ください。
 インタビューが終わった頃、時間はもう7時半くらいになっており、外はもう薄暗くなってきていた。 今日の全ての予定が終了し、ようやくというか、帰り支度となった。 先生には、明日の事もお願いし、丁重にお礼を申し上げ帰途に着いた。 涼しい夜風が、なにかしら気持ちがいい。サウナ効果がまだ続いているのかな? 30分ほどの夜の散歩をしながら、8時過ぎにホテルに着いた。 フィンランドについてのインタビューしている写真
フィンランドについてインタビュー
 先生の家でいただいた夕食が、時間も少々中途半端だったせいか、今から夜食でもまだ食べたいような食べたくないような、そんな感じになっている。まぁ、お腹が空いて困るよりもと思い、ホテルに着いて何か食べようと思ったが、レストランは既に閉まっていた。 仕方なく売店で残っていたパンを買い、食べたい時に食べることにしよう。明日からいよいよ本格的な研修となる。 先ほどのプレゼンの原稿手直しもあり、細かい事などの打ち合わせをすることにした。
ホテルで反省会している写真
ホテルで反省会
 そういうことで集まったが、プレゼン原稿に関しては、口頭で、「ここカット、そこもカット。」と担当に指示し、簡単に終えた。 メンバーは皆、今日の体験にまだ興奮しているようで、延々とその話しが続いている。横では、プレゼン担当が、黙々とそしてポツンと指示に従って原稿を修正していた。

 それにしても長い一日だった。時差ボケの中のはずなのに、身体は興奮しているのだろう。 午後11時頃、明日は長距離の移動をしなければいけないからと、最後に明日ラハティへレンタカーを借りに行く者と、ホテルで精算をする者とを決め、就寝することになった。 
何を打ち合わせたのか、よくわからないが、ま、いいか! おやすみ~~。
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