バークシュの朝

 今日は9月21日。
全世界的に日曜日である。この日は、元々時差ボケを調整するために設けたのだが、研修先との調整をしているうちに、児島先生からユバスキュラの盲学校を紹介され、それなら前日に家においでよと言っていただいているのだった。
 フィンランドの本格的サウナをご馳走するよ!という事であったが、それだけではもったいない。せっかくの機会だし、フィンランドに永年住んでいらっしゃるのだから、フィンランドの文化や自然、フィンランド人の生活環境やIT環境、福祉の現況についてインタビューをさせていただくことになった。昨日もわざわざこのホテルまでおいでいただき、挨拶と最終の打ち合わせをした。 お昼過ぎにでもおいでよと、地図をいただいていたので、歩いてフィンランドの風を体一杯に感じながら、お伺いすることにしていた。
 というわけで、午前中は全くのフリー行動となる。フィンランド丸ごと体験を所望する我が軍団は、バラバラに起床こそすれ、お互い顔を合わせた者同士やあるいは一人で、時差ボケもなんのその、寝ぼけ眼を覚ますためにサウナに入ったり、付近をサイクリングなどで散策を楽しんだりした。 朝食を含め、それぞれの行動を追ってみることにした。

【ホテルのサウナ】
 フィンランドでサウナを経験することは、当初の目的の中でも計画されていた。
児島先生からも招待を受けているが、いろんな所で経験するのもいいだろうし、まだまだ時差ボケの頭をすっきりさせるのもいいかと朝一番でサウナルームに向かった。サウナはホテルの地下にある。日本では大浴場の中の一つの施設という感じで設置されているのが、さすがに本場は違うねぇ。サウナだけが独立して存在する。といってもフィンランドに大浴場という観念がないから当然といえば当然だが・・・。サウナルームは全部で5つ。男用、女用、家族用などとなっている。
 当然というか、男用を使用する事とした。入るとまず脱衣所。日本のロッカールーム形式と思えばいい。脱衣用のロッカーが並びその奥にシャワーが、4,5本ある。さらに進むと右側にサウナ室があり、一番奥の扉を開けると、なんと25m級の室内プール!脇に直径3mくらいの円形水風呂もついている。暖まった体を冷やすためのものだが、でかい。もちろん、リゾート型のホテルだからプールとしても使用している。本来ならサウナは裸なのだろうが、そういった事情で水着の着用が必要となっている。しかし・・・・、それは、ここに来てわかったことだった。一緒なのはメンバーだし、ま、いっか!(編集者注:つまり、某氏がサウナへ持ってきたのは水着ではなく、タオルいっぽんのみってこと。何のことはないハダカやんけ!)
 サウナ室は、日本で入るものとそう変わらない。タオルを敷いた木製の棚、部屋の中央にある電気式のヒーター等々。
「やっぱり、こんなものなんだ。」素直にそう思った。 サウナに入って2,3分もすると、じわ~っと汗が全身から噴き出してきた。ポタポタと、敷いてあるタオルの上に汗が吸い込まれていく。身体全体から水分が汗となって外に出ていく。特に顔の部分からの汗が出る毎に、脳の温度が上がっていくような気がする。15分くらい入っていただろうか、脳内の温度が上がりきる前にサウナ室を出て水風呂に向かった。
ホテル内のサウナ部屋の写真
サウナ部屋
 プールの脇を歩いて行く。
まだ他に誰も利用者はいない。誰に遠慮することも無く、ゆったりとそして堂々と水につかり、身体を冷やす。この瞬間が実に気持ちいい。水着を着けていないのがまたいい。ン? せっかくだからと、プールにもダイビング。マイプールをゆったり泳ぎ、気分は大富豪!
 気分よくプールを上がり、着替えに戻ることにした。 5室ある各サウナ室への入り口がそれぞれあり、一瞬どれか迷ったが、正確な洞察力と判断(そんな大袈裟なものでもないか!?)で、もと来たところに入った。
室内プールの写真
室内プール
好きな人ならもう一度サウナ室に入るのだろうが、今はこれくらいにしておいて、誰か入っているかな?と左手に眺めるだけにして、シャワーに向かった。

【朝食】
朝食の写真
朝食のようす
 朝食は、昨夜のレストランでとるようだ。もう何人かのメンバーが食べていた。朝食は込みであることをしっかり確認し、席についた。いわゆるバイキング形式でセットされている。パンやフレーク類、ジャムやバター、ハム、ソーセージ、ゆで卵に、サラダ、フルーツ、飲み物などが並んでいる。それぞれに好きな物を、あるいは、 「これなんかね?」 などといいながら、未知なる食べ物にチャレンジよろしく皿に盛った。食べながら、いろいろ話をしたが、みんな結構眠れたようで、時差ボケの重症者はいないようだ。
 もう既にこの辺りの散策を済ませてきた者や今散策に行っている者もいるようで、その元気さに驚いたが、せっかく来た異国の地、身体全体でその雰囲気を満喫しているのだった。食事も終わりころ、自転車を借りて散策していたメンバーが帰ってきた。
美恵子さんが自転車を担いで階段を登っている写真
佐野さん自転車を担ぐ
 何でも湖畔を散策していたけれども、帰ってくるのに自転車を担いで来なければ行けないところがあったと、腕をさすりながら疲れた表情で話してくれた。 多分彼女の性格からして、普通に行けばそんなところはないのであろうが、近道とばかりに来た道が歩行者専用でそういう目にあったのではないかと推測するが、どうだろう? そういったメンバーそれぞれの散策の様子を写真で紹介しよう。今、散策から帰ってきた二人の自転車をそのまま借り受け、まだ外に出ていないサウナ組二人で散策することにした。この辺りは、両側に湖のある狭い地域であるが、結構アップダウンがある地形になっている。自動車道の横には、歩道もゆったりと取ってあり、散歩も充分に楽しめそうだ。 まずは、山の手に行って見る事にした。
湖畔にて野田(海みたい)
湖畔にて野田さん
湖畔へ続く道 石王丸
湖畔散歩の石王丸さん
現地の女性湖で水浴
現地の女性 水浴
サイクリングしながら自分でパチリ 室谷
サイクリング中自分でハイポーズ 室谷さん
湖畔横のガレージの写真
湖畔横のガレージ
 思ったより人家が多くある。しかし車は止まっているものの、生活しているという感じが薄い。ドアはぴったり閉ざされ、なにしろ人影が見えないのである。普通なら、子供たちの声とか、朝食の支度の音や熱気があっていいはずなのだが。 全くゴーストタウンの様相にしか見えない。日曜日の朝だから、教会へ?ん~ん、そうとも思えないなぁ。この辺りは夏の別荘地帯で、今はオフシーズンとなり、そもそも人がいないとか? それとも昨晩宇宙人でも来て、住民全てを連れ去って行ったのかな?
 次の目指したのは、湖の方向だ。少し小高いところから、自動車道を横切り、一気に湖畔まで駆け下りた。  「ふぁ~、ほんまに森と湖しかないわ!」 日本なら、お食事処とか土産店が必ずあるんだろうけど、全く無い。まぁ、湖の数の多さと人口の少なさを考えればそれも当然ではある。プレジャーボートが数隻係留されており、自然に親しみ、そして満喫しているフィランドの生活文化を羨ましくも思った。 湖畔にて西田(カッコ付けてポーズ)の写真
湖畔ですまし顔 西田さん
プレジャボート前にて同じく西田さんの写真 足が短じか
同じくボート乗り場にて
湖畔にて、バンザイしている能登の写真 フィンランドや!
湖畔にて 能登さん
 それにしても、どこを見てもきれいだ。ゴミ一つ落ちていない。 家々も花や木々がよく手入れされている。
 フィンランド人のマナー水準の高さのせいなのか、清掃作業にすごい労力とお金をかけているのか、本当に気持ちのよい環境である。 一気に湖畔まで降りてきたという事は、帰り道は上りである。 目線を上げると、ホテルがすぐ近くに見える。車道に沿って帰ると左の方に大きく迂回していかねばならないから、一気にショートカットして行くことにした。  ある程度覚悟はしていたが、やはりすごい坂道である。当然舗装もしていない。そうすると自転車を降りて、引いて行かなければ行けない。 しかしそれはそれで、いい運動となった(ことにしておこう)。 湖畔のまわりの木々の写真
湖畔のまわりの木々
息が切れ自転車をひく能登さんの写真
もうダメと自転車を押す
同じくねを上げた西田さんの写真
サイクリングって引っぱるもの
 ホテルに帰り、12時にフロント前に集合して児島先生宅に向けて歩いて出発することにした。もちろんお土産を含め持って行く物の分担も決めた。
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